東方ネタ等。ブログに近し((

これはyukiabcと言う人が東方について語ったりするものです。

 奇跡。その約束。ep1(昼) 【ポケモンss】

約束。どんな人でも交わしたことはあるだろう
友達と遊ぶ約束。親との約束。恋人との約束。自分との約束。
約束というものは破ってしまうと嫌な事ばかりだ。怒られたり、仲に亀裂が入ったり…
では、『守れない約束』はどうなってしまうのだろうか
約束を守ろうと思っても絶対に不可能であれば…
この物語はそんな『守れない約束』を守ろうとする一人の少年の物語


= =

ポケモンイッシュリーグ。これが最終戦!チャンピオンに挑むのはチャレンジャーブラウ!
そしてそのパートナーのエーフィです!」
(ワァァァァァァァァ!!)
スタジアム内に観客の歓声が巻き起こる。
「…ブラウ、行こう」「うん!エルナ、頑張ろうね!」「あなたは本当にプレッシャーってものが無いわよね…」
「…へ?」「さ、行くわよ」「ちょ、ちょっとエルナ!待ってよ~!」

= =

「う~ん…」朝。鳥ポケモン達の囀りが異様に耳に入ってくる。周りには、だ。
「ブラウ~おきてよ~」僕はブラウ。ポケモンの言葉が分かるんだ
周りには吠えていたりないていたりして聞こえるだろうけど、僕には言葉として伝わるんだ
僕自身、なぜ聞こえるか分からないけど、生まれたときからこうだから別に気にしてない
「うぅ…?あぁ、ムックー(ムックル)。おはよ…」「おはよー!どうしたのブラウ、寝坊なんて」「ん?寝坊…?」
僕は頭の近くにある時計を覗いた。時計の針は10時を指している。
「本当だ…ふぁぁ…。ごめんねムックー。皆は?」「外でブラウが起きるの待ってるよ」
「そっか、じゃあ早く朝ごはん作らないと!」
僕はベッドから飛び起きて背伸びをした。そしてそのまま台所まで向かった。
「おはよう、ブラウ」「おはよ、エルナ(エーフィ)」
僕の家には家族は居ない。お母さんは僕を産んで死んじゃったしお父さんは僕を気持ち悪がりここに捨てた。
そう、この『守りの森』に。ここのポケモン達と皆で暮らしている。ここの森にはまず誰も近づくことがない。
僕はここの森の中にぽつんと立っている小屋でずっと暮らしている。
「ごめんね、遅くなっちゃって」「いいえ、私より外の皆が待ちくたびれてるわよ」
「分かってるって。今から朝ごはん作るから、ちょっと待っててね」
僕はそう言いながら朝ごはんを作り始めた

「今日の朝ごはんは?」「う~ん、簡単にきのみと野菜を蒸して、すこしゆったりした味のものにしようかな」
「…ぜんぜん簡単そうじゃないわね、それ」「え?そう?」そう話しながら僕は調理をしている

作りながらふ思った。エルナは僕が捕まえたポケモンではない。
(まぁ、僕はポケモンをモンスターボールに入れるような事はしないんだけど)
確かこの森ではなく、どうしても町に行く用事があって出会ったんだよなぁ
そして、少しお話したら、ついてきてくれたんだよね…懐かしいなぁ…確かそれが一年前ぐらいだっけ…
「…何考えてるの?」「ふぇ?あ、いやっ、何でもないよ!」僕はそれからは調理に集中していた

でもなんだか、今日の寝坊とエルナのことが気になるんだよなぁ…

= =
「できたよー!」「わーい!おはよ!ブラウお兄ちゃん!」
僕が外に朝ごはんを持って出ると笑顔でチラル(チラーミィ)が駆け寄ってきた。
他のポケモンたちも寄ってきている
「おう!どうした、寝坊か?」「うん、そんなところ。さ、早く食べちゃおう!」
グラン(ヒノアラシ)が僕に聞いた事によって、また少し考えはじめそうになった。

「「いただきまーす!!」」

…でも今は考えるよりご飯を食べよう。おなかが減ってたら考えることも出来なくなっちゃうから…ね。



「「ごちそうさまでしたー!」」「ねぇブラウ、今日は何する?」「え?あぁ今日は少し用事があるから、ごめんね?」
チラルが物凄い期待の眼差しを向けてきたけど今日は色々考えたいことがあった
体の調子もすこぶる良い訳ではないし少し家の中で居ようかなと思う
「えぇ~!!ぷぅ…ブラウと遊びたかったのに!」「はは…ごめんごめん。エルナやグランと遊んでてよ」
「はぁい!エルナ、グラン、行こ!」「はいはい」「ちょ、待てブラウ!俺もか?!」
「何かあったらいけないからね。二人を守ってあげて」「…へい」

僕は三人が外に行ったのを確認すると家の中に入って考え始めようとした
…が入り口でとあることを閃いた。
「…ムックー、居る?」「うん、居るよ?」
「少し、木の実を取ってきてくれないかな、種類は…確かチイラとヒメリと…オボンだっけ。全部畑にあると思うから」
「はーい!」
ムックーは嫌がることも疑問に思うこともなくすぐ取りに行ってくれた
まぁ、なんせ森で住んでると食料に困ってくるから自分でこの森の中に畑を作って栽培している
ちなみに今言った、木の実の組み合わせは、記憶を思い出すことが出来る飲み薬のようなものを作るためだ
この薬のレシピは街に行ったときにとある薬剤師さんから教えてもらった
…なぜ教わったかは忘れたんだけどね
実際に試すのは今回が初めてだけど…おまじない程度だ、そこまで期待していない
「夢…」
そう、僕は今日寝坊したけど、そのときの夢の記憶が全くと言って良いほど無い
そして、今日に限ってエルナの事を意識しすぎてしまっている。何故かは…分からない
「ただいまー!」早い。いやとても、早い「ムックー…こうそくいどうでも使った?」
「あ、ばれちゃったか」「別に急がなくても良かったのに…でもありがとうムックー」「えへへー」
「ムックー、君もエルナたちと遊んでおいで」「はーい!」
ムックーはチイラ、ヒメリ、オボンの実をしっかりと僕に渡した後エルナ達の方向に飛んでいった

僕は早速その木の実を絞り混ぜ合わせた

不思議 とても不思議だった
「紫色…匂いが…しない?」
僕は少し怖くなったがその薬を一気に飲み干した

その瞬間、一気に眠気が僕を襲い掛かった



=N=

「…此処は…」暖かい感覚、暖かい色と光で包まれたそんな空間で僕は浮いていた
『聞こえますか…?』ふと、方向も分からない、直接耳に聞こえるわけでもないでも無い。…でもしっかり聞き取れる
その声はこの空間を包むかのような女の人の声だった
「聞こえます、いったい此処は…?」『ここは前世、及び記憶の【箱】』
「記憶の…箱?」『ブラウ、あなたの前世はなんだったか覚えていますか?』「…え?」
前世…?いや分からない。待て、僕は転生した人なのか?どういう…
『…あなたはまだ、真実を知るときでは無いようですね…それでは、またその時まで』
「え、ちょ、ちょっと待って!あなたの名前は…」『名などありませんよ、あなたの、心の中に居るのですから…』
彼女がそういった瞬間目の前が真っ白になった

=B=
「う、うーん?」目が覚めると目の前には天井があった。手にはコップが握られている
「…どういうことなんだ?」
僕の頭は少し混乱してしまっていた。前世、真実、心の中に住まう何か。
「何があるというんだ…?」僕は気になってしょうがなかった

=E=
私たちは三人でこの森の中心のところまで来た。ここにはひとつの大木が立っている
『約束の木』だ。いつも私たちはここで遊んだりしている
この木が何故約束の木と呼ばれるかは知らないけど、この森のポケモンたちは皆約束の木と呼んで居る
「エルナー!何して遊ぶ?」「うん、少し散歩してからにしましょう」「はーい」
散歩、というよりもこの木の周りを少し歩くだけだ
私はなぜかこの約束の木をみると惹かれてしまうのだ。この木を見ていると不思議な気持ちになってくる

暖かい、でもその暖かさに穴が開いてるような…


…悲しい気持ちになってくるのは何故だろう


  奇跡。その約束。ep1(昼) 終